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金融サービス

アジア太平洋地域での金融センター

オーストラリアの洗練された金融サービスセクターは、アジア太平洋地域における理想的な拠点です。大規模で流動性の高い金融市場に加え、投資管理や、インフラ・ファイナンス、ストラクチャード商品といった分野でもこの地域で主導的な地位にあります。スーパーアニュエーション(退職年金制度)、高度なスキルと多言語能力を備えた労働力、整備されたビジネスインフラといった要素もオーストラリアの金融サービスセクターの強さを支えています。

金融・保険はオーストラリアで最大の経済部門であり、2010-11年における実質総付加価値の11%、1,350億豪ドルの規模を有します。オーストラリアの金融セクターの成長率は、他の殆どの産業を凌いでいます。金融サービス産業はまさにオーストラリア経済の牽引車であり、その規模は農林水産業(340億豪ドル)の約4倍に上り、鉱業(1,180億豪ドル)をも約15%上回っています。<2011年11月30日現在1豪ドルは約77.67円>

高度に発達した金融市場によりオーストラリアはアジアにおける資本市場の主要拠点の一つと目されており、金融サービスセクターの資産は5兆豪ドルを上回り、GDPのほぼ4倍に相当します。

オーストラリアの強靭な金融サービスの原動力は投資ファンド部門の成長にあるといえましょう。オーストラリアは、約1兆8千豪ドルの資産をグローバルに運用しており、これは世界有数の規模です。

オーストラリア政府は金融サービスの戦略的重要性を認識し、アジア太平洋地域における主要な金融サービスセンターの地位を確立するための大改革を実施しています。

世界経済フォーラムの2010年金融開発報告で、オーストラリアは世界57の主要な金融システム市場の中で第5位に位置づけられました、これはカナダ、オランダ、スイス、日本を上回るものです。金融アクセス部門では1位、金融マーケット(6位)、銀行(7位)、ノンバンク部門(8位)でも高い評価を得ています。

オーストラリア政府の純債務は、国際通貨基金(IMF)の2011年世界経済金融調査によると、GDPの8%前後と推定されており、先進国の平均である73.3%を大きく下回っています。この比較的低い水準の公的債務も、オーストラリアの強固で健全なファイナンス・ポジションを一層補強する要因です。

急成長するオーストラリア国内市場は、グローバルな金融サービス企業に多くのビジネスチャンスを提供しています。また、オーストラリアはアジアの各市場にサービスを提供するにも理想的なロケーションです。

オーストラリア政府は、堅固な規制枠組みと金融セクターの専門スキルを築き上げ、オーストラリアをアジア太平洋地域の金融センターとして確立することを目指し、その目標達成のために数多くの対応策を実施しています。

オーストラリア政府は、ファンドからの一定の分配金について源泉徴収税率を2010-2011年までに30%から7.5%に段階的に引き下げる法律を成立させました。これは世界で最も競争力のある税率水準です。オーストラリア政府は大規模な税制見直しに着手していますが、これは国際的競争力の観点から課税が極めて重要な要素であり、特に金融サービスにおいてそうであることを認識しているからです。

オーストラリア政府はまた、金融サービス規制の簡素化を目指しており、主要な海外マーケットと相互承認協定の締結交渉を行っています。すでに米国、香港、ニュージーランドとは協定に署名済みです。また、中国の適格国内機関投資家プログラムの下で、オーストラリアは投資対象国の地位を獲得しています。

オーストラリア政府は、金融セクターの代表者、学識経験者、政府高官で構成する専門家パネルを設置しました。このパネルは、オーストラリア連邦財務省の専門チームと共に、対内・対外投資の障壁を排除し、オーストラリアの金融センターとしての潜在力を更に伸張する政策を立案することになっています。

以下は、金融産業の各分野についてのさらに詳しい情報です。 

             

アセット・ベース・ファイナンス/リース

 

アセット・ベース・ファイナンス・リース業界は、オーストラリアの金融市場の主要な分野で、設備リースは、全国の設備資本支出の約40%を占めています。

様々な海外・国内の競合企業が参入し、資産担保借入、オペレーティング・リース、ファイナンス・リース、ベンダーファイナンス、そして航空機や産業設備など大型資産のためのストラクチャード・ファイナンスといったあらゆる種類の金融商品を提供しています。

世界的な企業がオーストラリア市場に参入しており、例えば、大手銀行、製造業の金融子会社に加えて、GEコマーシャルファイナンス、CITファイナンシャルといったノンバンクが挙げられます。

ファンドマネジメント

オーストラリアのファンドマネジメント業界は世界最大級の規模を有しており、急成長を遂げてアジア太平洋地域で主導的な立場を築くに到りました。このセクターの主要な牽引役となっているのがスーパーアニュエーション(退職年金制度)であり、ファンドマネジャーやサービスプロバイダーその他の関連企業に、新たなビジネス機会を提供しています。

さらに、オーストラリアの洗練された投資家層も、急成長するファンドマネジメント部門の強みです。個人投資家も自信とノウハウを持って市場に参加しています。これは、ファンドマネジメント部門の成熟を示すとともに、最先端の金融商品への需要を確かなものにします。

オーストラリアの主な運用会社、AMP、MLC, マッコーリー、コロニアルファーストステート、プラチナム、パーペチュアル、ペレニアルなどに加え、アバディーン、アリアンツ、アクサ、BNPパリバ、クレディスイス、フィデリティ、インベスコ、シュローダー、ステートストリート、バンガードなどを含む海外のアセット・マネジメント会社が数多く参入しています。

オーストラリアの法規制下では、単一の機関が投資スキーム全体を管理できるため、投資プロセスは簡素で、法的義務も明快なため、ファンドマネジャーや投資家にとって明確な枠組みが提供されています。

ヘッジファンド

オーストラリアのヘッジファンド・セクターは、世界有数の投資マネジメント業界の支えを受け、近年急成長を遂げアジアで最大規模となっています。

オーストラリアのヘッジファンドマネジャーは、ロング・ショート、相対価値、アービトラージ、イベント・ドリブン、グローバル・マクロ、債券・社債、デリバティブ、先物等の幅広い戦略を提供します。

オーストラリアのヘッジファンド業界には、強力なサービスプロバイダーがサポートを提供しています。オーストラリアの金融サービス業を支える健全な規制・ガバナンスの枠組みの中で、リスク評価、単位価格設定、運用手続等のサービスを提供しており、ヘッジファンド業界の重要な部分を構成しています。

保険

オーストラリアの保険セクターは成熟産業であり、洗練され、適正な規制も整った非常に競争の激しい業界です。オーストラリアの保険市場規模は、世界で第12位、アジア太平洋地域では第4位です。

オーストラリアの保険市場は、一般的には次の3部門に分けられます。

  • 生命保険会社 - リスク関連保険や年金商品(スーパーアニュエーション)を提供
  • 医療保険会社 – オーストラリアの公的健康保険制度であるメディケアを補完する民間健康保険を提供
  • 損害保険会社 - 生命保険と健康保険以外のすべての保険を提供

生命保険と損害保険の市場には、強力な国内・海外企業が競合している一方、民間医療保険は、国内の業者が主流で、そのうちかなりの数は、非営利団体として運営されています。

国内の生命保険会社としては、AMP、MLC、マッコーリーライフ、ワンパス、TAL(第一生命子会社)、損害保険会社では、IAG、サンコープ、QBEなどがあります。

大手のグローバル企業も参入しており、ブローカーではAON、マーシュ、ウィリス、JLTなど、引受会社ではアリアンツ、BUPA、チューリッヒ、アクサ、メットライフなど、再保険会社ではジェネラル Re、ミュンヘン Re、スイス Reなどがビジネスを展開しています。

 

投資銀行

オーストラリアは、高度に発達した、世界クラスの投資銀行セクターを有しています。

投資銀行サービスを提供する世界の主要金融機関の大半がオーストラリアに進出しており、その内の数社は、オーストラリアをアジア太平洋地域の活動拠点としています。そして、数多くのニッチプレーヤーの市場への参入も続いています。

これらの金融機関は、企業金融、資本市場、民間インフラファイナンス、ストラクチャード・ファイナンス、オフショア資金調達、デリバティブ市場、引受、証券化、企業アドバイザリー・サービスなど、あらゆる種類の投資銀行サービス・商品を提供しています。オーストラリア金融監督庁(APRA)は、オーストラリアで銀行業務を行う場合の免許や規則に関する情報を提供しています。

オーストラリアの金融市場は、規模においても、成長速度においても、洗練度においても、アジアでトップクラスにあります。オーストラリアは、資産担保証券、不動産投資信託(REIT)、取引所・OTCデリバティブ、社債、ヘッジファンドなどの一連の商品分野において、地域の主導的な地位を占めています。

 

支払・決済システム

オーストラリアの経済が円滑に機能している背景には、支払・決済システムが安全且つ効率的で信頼できるサービスを提供していることが指摘されます。

支払・決済システムは、5つの主要カテゴリーから構成されています。

  • 紙幣・硬貨等現金取引は、オーストラリアの現金流通交換システム(ACDES)経由で決済
  • 小切手等紙ベースの取引は、オーストラリア紙決済システム(APCS)経由で決済
  • 直接入金・引き落とし等直接口座取引(DE)と、電子データ交換(EDI)は、ビルド電子決済システム(BECS)経由で決済
  • 現金自動預け払い機(ATM)、クレジットカード、EFTPOS等デビットカード、プリペイドカード(SMARTカードなど)等の消費者向け電子取引は、消費者電子決済システム(CECS)経由で決済
  • クリアリングハウス電子サブレジスターシステム(CHESS)、金融取引記録決済システム(FINTRACS)、準備銀行情報伝達システム(RITS)、その他の高額電子取引は、高額決済システム(HVCS)経由で決済

これらの決済システムは、新商品や技術開発に対応して発達しています。

 

プライベート・バンキング

比較的少ない人口にもかかわらず、オーストラリアの富裕層市場は世界でも最大級です。しかもオーストラリアの富裕層市場の成長率は、世界の最富裕国の多くを上回っています。

オーストラリア株式及び他のアセット・クラスの継続的な価格上昇により、オーストラリア人の保有総金融資産額も増大しています。

個人資産の構成も変化しており、現金の割合が減少し、スーパーアニュエーション(退職年金資金)や株式の保有が増える傾向です。

個人レベルでは、オーストラリアには香港とシンガポールを合わせたよりも多くの資産家が存在しており、プライベート・バンキング・サービスへの需要は増加しています。

世界の10大金融機関の大半は、オーストラリアでプライベート・バンキングを行っており、オーストラリアの投資家が一層洗練されるに伴い、更に多くの金融機関がオーストラリアでプライベート・バンキング業務を展開することになると予想されます。

 

プライベート・エクイティ/ベンチャー・キャピタル

オーストラリアのベンチャー・キャピタル業界は、新興・成長企業のエクイティ・ファイナンス需要により近年著しい成長を遂げました。プライベート・エクイティの入札には、より革新的な仕組みが採用されるようになってきており、平均入札規模も継続的に拡大しています。

またオルターナティブ投資を求める機関投資家の増加によるプライベート・エクイティへの資金流入の増加も観測されます。

強固なファンダメンタルズに基づいたオーストラリアのプライベート・エクイティ市場は、将来の成長が有望視されています。

オーストラリアの革新的文化と研究開発インフラは、政府の支援を受け、継続的に将来のアイデアやプロジェクトの創造に寄与することでしょう。

オーストラリアのベンチャー・キャピタル税法は、国際的なベストプラクティスに準拠しています。

 

リテール・バンキング

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)、コモンウェルス銀行(CBA)、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)、ウエストパック銀行がリテール分野での国内主要4行で、政府の「四大銀行政策」によりこの4行間での合併は禁止されています。

またセントジョージ、ベンディゴ銀行、クインズランド銀行、アデレード銀行、サンコープ等の中堅の銀行も数多く存在しています。

海外のリテール銀行も市場シェアを伸ばしており、ING銀行、HSBC、シティグループ、ラボバンクなどが代表例として挙げられます。

その他、リテール銀行市場では住宅金融組合、信用組合、マネーマーケット会社など、相当数のノンバンクがビジネスを営んでいます。

 

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