資源開発
最先端技術が世界各地で活躍
オーストラリアの資源産業の生産高は900 億ドルに達し、GDPの6%、全輸出額の50%を占め、国の経済発展に大きく寄与している。オーストラリアを世界の鉱物資源開発をリードする国として確立させたのは以下の要因に負うところが大きい。
- 豊富な鉱物資源
- 教育と経験に裏打ちされた人的資源
- 進化した採鉱方法、そして
- 最先端技術開発を支えるR&D
豊富な鉱物資源
オーストラリアの金属資源埋蔵量は鉛、ニッケル、ウラン及び亜鉛で世界最大。 ボーキサイトとアルミナ生産(経済的実証埋蔵量を使用)でも世界1位、亜鉛鉱とニッケルでは世界第2位、鉄鉱石と金において第3位の生産国。
EVや蓄電池の普及により大幅に増加予測されるリチウム電池の需要によりリチウム鉱床探鉱が2015年から活発になった。オーストラリアのリチウムは精鉱を選鉱、湿式で抽出するスポジメンタイプで。現在その多くは中国で加工されているが、電池関連の他の鉱物も含め、オーストラリア国内での加工も進められている。
天然ガスにおいては、国内と輸出向けガス供給の不均衡の是正と世界的な環境負荷が低いガスの利用増を背景に、オンショア・オフショアガスの新規開発とインフラ整備が期待されている。
教育と経験に裏打ちされた人的資源
オーストラリアのMETS(Mining Equipment, Technology and Services)は約40万人の就業分野であり200を超す国への輸出産業でもある。連邦・州・準州政府や産業団体、教育機関がこの分野の就業者の能力向上に予算とトレーニングシステム構築で連携しており、そのシステムそのものも他国の就業者に利用されている。
進化した採鉱方法
大規模な資源産業をベースに、オーストラリアは鉱山用設備機器・技術・サービスの分野で世界でも優位に立っている。オーストラリアの企業はサプライチェーンのあらゆる段階、すなわち探査、土木工事、選鉱、環境管理、安全確保、研究開発及びトレーニングの分野で競争力を発揮している。
オーストラリア企業は鉱山用トラックなどの大型設備機器の設計製造を行っており、またオーストラリアで開発された鉱業界向けソフトウェアは世界各地の鉱山における計画立案や開発分野で際立った役割を果たしている。鉱山設備機器・技術・サービス分野の国内総販売額と輸出額は毎年それぞれ120億ドルと25億ドルにも達している。

Mining Software and Specialised Technologies (英語)
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最先端技術開発を支えるR&D
レーダー探査や鉱物分析といった分野での研究開発の成功から様々なニッチ技術を輸出する企業群が誕生している。その結果、資源セクターはオーストラリア経済における研究開発の最も重要な牽引役となっていて、諸外国の投資家は探査のみならず技術革新についてもオーストラリアの持つ潜在能力にますます注目しつつある。

Resources Research & Development (英語)
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