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食と農業の未来をつくるオーストラリア 〜 アグリカルチャー4.0の牽引役

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オーストラリアの農業は先駆的な取り組みで、世界の注目を集め続けています。

わが国は生産性の向上と新たな価値創造に向け、イノベーションを貪欲に追求してきました。オーストラリアは、農業の次なるステージで世界を牽引するリーダーです。

「アグリカルチャー4.0」は、ロボット工学やリモートセンシング、バイオ科学などの次世代技術を集結した農業を指します。世界の農業は複雑化するニーズに対応するため、気候変動の影響を受けながら、かつてない課題に対応していく必要があります。変わりゆく環境の中で生産性を上げ、持続可能な形で発展していくために、この新しい農業のあり方に改めて注目が集まっています。

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産業の概要

オーストラリアの農業部門の生産高は過去10年にわたり、年平均2%で成長してきました。世界で最も乾燥した地域であるわが国の農業界は、過酷な環境を生き抜くため、様々な取り組みに果敢に挑戦してきました。その創意工夫の積み重ねが、わが国が誇るイノベーションの数々へと結実してきたのです。堅牢な灌漑ソリューションの導入、塩害や乾燥に強い作物の開発、農業生産を予測・最適化するテクノロジーの導入などは、その好例です。

すでに農業大国であるオーストラリアですが、独創性を重んじるカルチャーと新たなテクノロジーへの挑戦意欲に支えられ、さらなる発展が見込まれます。挑戦を厭わない前向きな姿勢が、わが国を農業生産の3分の2を輸出する輸出大国へと押し上げました。

また、オーストラリアの農産品はクリーンで環境に優しく、安全です。英国の国際経済誌「The Economist」が発表した2018年世界食糧安全保障指数においては、113カ国中6位にランクインするなど、国際的に認められています。

また近年では、食品のトレーサビリティや利便性を求める消費者の要望がより一層高まっています。オーストラリアはサプライチェーン全体へのソリューション導入やデジタルマーケットプレイスの提供などを行っており、リアルタイムで透明性の高い取引を実現しています。

アグリカルチャー4.0に向けたベストパートナー

わが国はすでに世界第12位の農産物輸出国ですが、政府・産業界が一丸となり、さらなる成長意欲に燃えています。オーストラリアでは農業におけるデジタル技術の採用が大きな鍵であるとの位置付けから、政府は国内の約300社に上るアグテック・フードテックを支援する投資をおこなっています。

グローバル企業にとってのチャンス

オーストラリアのベンチャーキャピタル市場は、2016~17年だけを見てもその規模が倍増するなど、近年大きく拡大しています。海外投資家にとって、オーストラリアはチャンスにあふれる魅力的な市場です。

わが国では農家、産業界、研究機関の密接な連携がイノベーションを促進し、国際企業による大胆な投資とコラボレーションを生み出しています。オーストラリアの多様で豊かな自然環境や、官民の強力なタッグが組まれた良好なビジネス環境を活用したいスタートアップ企業が国内外から集まってきています。

理想的なテスト市場 ―北半球と反対の季節と、アジア市場への近さ

オーストラリアの季節は北半球と真反対です。このため日本を含めた北半球を拠点とする企業は、オーストラリアと協力関係を結ぶことにより、一年を通じて開発やテストを行うことができます。多種多様な気候に恵まれ、多文化社会でもあるオーストラリアでは、さまざまな市場を想定した商品やソリューションの研究・開発をおこなうことができます。

また、オーストラリアはアジア市場と地理的に近く、貿易面での結びつきが強固です。成長が続くアジアの食料需要に注目する多国籍企業にとっては、オーストラリアの競争優位性は非常に高いものとなっています。また、わが国は主要なアジア市場と自由貿易協定を締結しているため、円滑な農産物の輸出が可能となっています。

こうした成長市場とのつながりは、時として革新的な商品を生み出すきかけとなり、農業科学・技術の共同開発・事業化規模拡大のための大きなチャンスを作り出しています。

政府の強力な支援

オーストラリア政府は、食品・農業関連分野のイノベーションを支援するため、さまざまな優遇措置に資金を提供し、強固なインフラを用意しています。

研究開発活動を実施する際のコストとリスクを軽減し、地域・州・国レベルでのイノベーションを促すため、さまざまな助成金やパイロットプログラムを提供しています。

政府のプログラムではまた、国際的なパートナーとの連携や協力関係の構築が強く推奨されています。