産業情報

オーストラリアは、ペースメーカーや子宮頸がんワクチンから持続可能なマイニングソリューション、WiFi、Googleマップなどに代表されるように、現在世界中で使用されている革新的な製品やサービスを開発してきた創意豊かな国です。

メインコンテンツ

農水産物、バイオテクノロジー、環境・エネルギー、金融サービス、ICT、鉱業、石油、ガスなど多岐にわたる分野の産業情報をご覧ください。

食品・農水産物

オーストラリアでは革新的な農法に加え、家畜・植物・土壌の管理や害虫対策などにおいても新たな科学技術が積極的に活用されており、これらの手法を組み合わせることで農業生産性の向上を図ってきました。オーストラリアの食品輸出額の5割以上がアジア向けとなっています。世界で最も乾燥した地域であるわが国の農業界は、過酷な環境を生き抜くため、様々な取り組みに果敢に挑戦してきました。その創意工夫の積み重ねが、わが国が誇るイノベーションの数々へと結実してきたのです。堅牢な灌漑ソリューションの導入、塩害や乾燥に強い作物の開発、農業生産を予測・最適化するテクノロジーの導入などは、その好例です。

野菜・果物、水産物、乳製品、花、植物、食肉、穀物、ネイティブフード、オーガニック、コットン、加工食品 、ワインなど多岐にわたる商品群をご紹介いたします。

アグリテック

オーストラリアの農産物の生産性向上と、持続可能な農業のバリューチェーンの構築という2つの目標によって、オーストラリアはアグリテックの発展に最適な環境となっており、以下のように次世代型アグリテックの開発、商品化、規模の拡大、調達に魅力的な条件が揃っています。

  • アジアの成長市場に近い、世界有数の農産物生産・輸出国
  • イノベーションの実績
  • 進化を続けるアグリテックのエコシステム
  • 卓越した研究力
  • 理想的なテスト市場
  • 政府による強力な支援

資源・エネルギー

オーストラリアは天然資源の大国として知られていますが、石炭・鉄鉱石・天然ガスの採掘と輸出に留まらず、各種金属資源の探査から製品の生産までのバリューチェーン全体をカバーする活動が盛んです。また、オーストラリアは近年注目度が高まっている温室効果ガス排出ネットゼロの実現に向けて必要不可欠な経済の電動化・再エネ化のための資源も豊富に有しています。再生可能エネルギーの風力や太陽光といった資源については、オーストラリアは世界有数の好立地を誇ります。加えて、二酸化炭素の貯蔵や利活用を含めた天然ガス由来の水素や、再生可能エネルギーを基にした水素など、次世代燃料として期待を集める様々な水素の市場開発を、数多くのプロジェクトに渡り全力で進めています。電池やモーターに必要な金属資源(ニッケル、リチウム、コバルト、黒鉛、希土類元素など)も世界最大規模で有しており、その鉱石を精製し製品へ加工する産業を築くために、オーストラリアは力を注いでいます。また、以前から優れているオーストラリアの鉱業向け研究や技術開発活動が、近年これらの注目分野の全てにおいて更に強化され、日本企業を始めとする世界各地のプレイヤーとの協業に成功し、今後も多くの協力の機会が生まれることが期待されます。

  • 再生可能エネルギー
  • 水素
  • 石炭・天然ガス
  • 金属資源
  • 技術・サービス・研究開発

インフラ関連事業

豪州でのインフラ関連事業とは、交通インフラの建設や運営、教育や医療の機関といった社会インフラ、都市開発全般や、最近関心を集めている循環型経済に向けた様々な取り組みを指した、幅広い分野です。

近年、オーストラリア連邦政府および各州政府は、こうした各種インフラの整備や、循環経済の実現に伴い新たな産業分野への展開に、記録的な規模の予算の確保をはじめとする様々な資源を投入しています。西シドニー空港都市のような巨大型開発プロジェクトに加え、再生可能エネルギーの普及や電源の分散化に伴い必要とされる送電系統の増強、各地エネルギーインフラの整備などにも注目が集まり、オーストラリア全土において、プロジェクト開発やプロジェクトへの参画の機会が多数あります。また、あらゆる社会インフラ、モビリティ、スマートシティなどを含む都市開発分野においては、国外の技術や知見を招き、オーストラリアをテスト・マーケットと捉える事業機会も多く考えられ、その市場の魅力が更に認識されています。オーストラリア貿易投資促進庁は、その機会を紹介するだけでなく、進出を考える日本企業の個々のニーズに合わせた情報提供、ステークホルダーの紹介、現地への訪問のアレンジ等によりサポートさせていただきます。

  • 交通インフラ
  • 経済インフラ
  • 社会インフラ
  • 循環経済

メディカルサイエンスとテクノロジー

オーストラリアはバイオ医薬研究とイノベーションの大国で、質の高い人材、高等教育レベル、防府な天然資源や生物多様性、透明性の高い法規制などの観点から、バイオ・医薬産業に最適な国のひとつと評価され、重要な研究開発先として拠点を構えているグローバル製薬企業が多くあります。オーストラリアのバイオ医薬産業界で海外企業と戦略的提携を結ぶ事例が増えており、今後も様々な企業間、また産学官における提携が進むと予想されます。また、オーストラリアは迅速で質の高い臨床試験の実施地としても注目を集めています。下記はオーストラリアが選ばれる主な理由です。

  • 医療研究のインフラが整備されている
  • 優秀な人材が豊富
  • ヘルスケアシステムが世界レベルである
  • R&D税制控除
  • Clinical Trial Notification (CTN)制度を含む、効率的な規制環境
  • 高い国際スタンダードに則った規制の枠組み
  • 民族的に多様で、英語環境にある
  • 発展を続けるアジア諸国に近い

医療機器とデジタルヘルス

オーストラリアのヘルスケアの進化を下支えるのは、国が誇る質の高い医療分野研究の基盤である。世界の人々の生活の質向上に貢献しているオーストラリアで発明された医療機器の例には人工内耳(bionic ear)や持続的気道陽圧法(CPAP)などがあり、今後もこのような開発がより活発に行われるよう、政府は医療研究への補助にコミットしています。主な注力分野は以下のとおりです。

  • ゲノミクスとプレシジョン・メディスン
  • データ解析技術の活用
  • 画像診断
  • シミュレーションなどの活用による医療研修プログラム
  • ヘルスケアサービス分野でのスマートソリューション

サービス産業

活発な成長を続けるオーストラリアのサービスセクターは、オーストラリアのGDPの約7割を占め、オーストラリア経済の高い雇用率と生産性に大きく寄与しています。金融サービス、エンジニアリング、コンサルティング・アドバイザリー、法務サービス、物流サービス、フランチャイズなど、その業種は多岐に渡ります。

オーストラリアの洗練された金融サービスセクターは、アジア太平洋地域における理想的な拠点となり得ます。大規模で流動性の高い金融市場に加え、投資管理や、インフラ・ファイナンス、ストラクチャード商品等の分野でも当地域で主導的な地位にあります。スーパーアニュエーション(退職年金制度)、高度なスキルと多言語能力を備えた労働力、整備されたビジネスインフラといった要素もオーストラリアの金融サービスセクターの強さを支えています。

サイバーセキュリティ産業

オーストラリアのサイバーセキュリティ産業は短期間に大きな発展を遂げており、需要は留まることなく拡大しています。
オーストラリア政府は、サイバーセキュリティをオーストラリア経済の長期的展望に不可欠とされる6つの産業分野の1つに挙げています。国内では、多くの公共・民間企業がIT資産を適切かつ包括的に保護するためのサイバーセキュリティサービスに対する強い需要があります。この傾向は今後10年間でアウトソーシングセキュリティベンダーへの依存度がさらに高まることが予想されています。

現在サイバーセキュリティセクターの約43%が製品やサービスを輸出しており、オーストラリアの強力なサイバー技術力と能力を示しています。同時に多くのバリューチェーンが他国のデジタルセキュリティに依存しており、米・英セキュリティと強固な関係も築いています。またインド、日本などの信頼できるパートナーとの貿易やR&Dでの結びつきは、今後の両国評判を高めることになるでしょう。

研究開発(R&D)

オーストラリア政府と企業は、科学、技術、イノベーションを取り入れることが国の生産性と更なる経済成長のために不可欠だと考え、世界トップクラスの学術機関の育成や研究開発への強いコミットメントを高めてきました。オーストラリアは宇宙科学、物理学、コンピューター科学、臨床医学など、20の重要分野にて世界をリードしています。

このようにして生み出される技術は、国際的な共同研究や商業化に繋がります。各研究機関や大学には産学連携部門が設置され、産業界や政府との共同研究や技術開発を積極的に推進しています。日本企業のオープンイノベーションや技術スカウト活動、オーストラリアでの事業展開や共同研究のお手伝いします。

宇宙産業

オーストラリア政府は、世界の宇宙産業が急速に拡大する中、オーストラリア宇宙産業の成長を積極的に支援しています。民間利用目的の宇宙産業投資に加えて、オーストラリア政府は100億豪ドル(約9450億円)の拠出を防衛宇宙産業の能力開発に向けてコミットしました。これらの投資は、オーストラリア企業の既存機能の維持や高度化だけでなく、国内の課題を解決する機能の新規開発や、グローバルパートナーへのサービス提供の展開を支援しています。

注目の協業分野は、①打ち上げ・射場、②地球観測、③宇宙状況把握・通信、④ロボティクス及びリモートアクセス技術、⑤ポジショニング・ナビゲーション・タイミング(PNT)です。

オーストラリアには、日本がより頻繁に射場として活用できる有利な地形と管制空域があります。また、森林火災などの危険な天候パターンを予測するデータ解析において協業の可能性があります。さらには、マイニング(鉱山)産業で培った遠隔オペレーション能力は、宇宙産業においても日豪は理想的なパートナーとなるでしょう。すでに日本の準天頂衛星システムを基に、日豪の研究者が衛星データを活用しスマート農業・スマートシティ実証実験をオーストラリアで実施しています。豪州政府は静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)への投資も開始しています。

消費財

化粧品

オーストラリアの化粧品産業および理美容産業は国際的評価を確立しており、現在では約200社のオーストラリア企業が自社製品を輸出しています。オーストラリアの自然環境は厳しいため、これらの製品は強い直射日光や極端に高い湿度など、多様な気候条件に対応する必要があります。この結果、オーストラリアは厳しい基準に従いかつアンチエイジングの特性を持つ日焼け止め製品やサンレスタンニング製品のサプライヤーとして高く評価されています。近年はオーストラリア原産の植物成分を使った自然派スキンケア製品への関心が国内外で高まっています。

主要な成長分野はヘアケア製品、男性用理美容製品、ベビー用品、ドクターズコスメ(皮膚科医など専門家が開発に関わる製品) 、アロマセラピー、自然派化粧品、サンケア製品です。

宝石・宝飾品

オーストラリアの宝飾産業は、貴金属・宝石から装飾品に至るまで、幅広い製品を供給していますが、 ダイヤモンド、オパール、サファイア、南洋真珠については主要生産国として良く知られています。オーストラリア宝飾業協会(JAA)は、1993年、オーストラリアの宝飾品製造業者のために証明商標(「Jewellery Mark」)の制度を制定しています。JAAのJewellery Markが付いた製品は、JAAの厳格なガイドラインを満たし、Standards Australiaの要件を満たしていることを意味しています。

オーストラリアには、最古の岩層があり、様々な種類の貴石、鉱物が長い時間を経て自然形成されています。各地の鉱山では、ダイヤモンド、オパール、サファイアなどが産出され、裸石としても世界中に輸出されています。