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デザートライム

 

一般名 デザートライム
学名  Citrus glauca
利用部位 完熟果実、果肉
写真 

ANFIL Desert Lime1 ANFIL Desert Lime2 

■ 木についた果実     ■ クイーンズランド州西部のデザートライムの木

 

ANFIL Desert Lime3   ANFIL Desert Lime4

■ 摘みたてのデザートライム  ■ デザートライムの収穫中

季節性

8月に花が咲き、11月~12月までには実が熟す。

栄養価 

エネルギー

水分

タンパク質

脂肪

炭水化物

全糖

繊維

380 kJ/

100 gm

77.4 gm/

100 gm

1.4 gm/

100 gm

0.4 gm/

100 gm

20.1 gm/

100 gm

3.6 gm/

100 gm

Na: 2.24 µg

K: 1,287.8 µg

Mg: 94.5 µg

Ca 384.2 µg

Fe: 4.74 µg

Zn: 1.03 µg

Cu: 0.64µg

出典:Jock Douglas提供Queensland Department of Primary Industries(クイーンズランド州第一次産業課), www.australiandesertlimes.com.au
Konczak, I., Zabaras, D., Dunstan, M., Aguas, P., Roulfe, R., Pavan, A., (2009) Health Benefits of Australian Native Foods(オーストラリア原産食品の健康効果), RIRDC Pub. No. 09/133

利用歴 

デザートライムは、アボリジニや初期の入植者によって野生で採集されてきた伝統的な柑橘類の近縁種である本物のシトラスである。

「初期のニューサウスウェールズ州では、イギリス人の入植者が野生の果実を用いてジャムやタルト、ゼリーを作っていた。使用された果実の多くは11月頃に旬を迎えたもので、食卓で生食するには糖度が低すぎ、酸味が強すぎる果実を最大限に利用していたのだった。Maidenは、ニューサウスウェールズ州およびクイーンズランド州南東部の内陸地域では、デザートカムコット(kumquat)の加工品や酸味のある果実から作られた飲みやすい飲料、および多くの保存食品がその果実から作られているようだと書き留めている」(Clarke, 2008)。オーストラリア国立大学によると、カムコット(cumquat)という現地の名前が初めて現れたのは1880年だという。入植者たちは、しばしばオーストラリア原産の果実をヨーロッパの果実と比較し、オーストラリアの食品の前には現地の言葉を付けた。Australian Enquiry Book(オーストラリア研究)(Lawson, 1898)、Coronation Cookery Book(コロネーション料理法)(1933)、Longreach Red Cross Cookbook(ロングリーチ・レッドクロス料理本)(1946)やSchauer Australian Cookers Book(シャウアーのオーストラリア料理人ブック)(1952)等の様々な料理本によって、現地のライムのレシピが紹介された。

デザートライムはFSANZによりオーストラリアの伝統食品とみなされており、コーデックス規格のリストに記載されている。

機能性 

ZhaoおよびAgboola (2007)が行った研究により、デザートライムはメタノールおよび水抽出物において、 一般的な腐敗細菌(アシネトバクター・バウマニ、枯草菌、緑膿菌)に対する強い活性を有していることが分かった。

デザートライムのメタノール抽出物における一般的な食物経由のヒト病原体に対する活性は、コレラを引き起こすバクテリアであるコレラ菌および過去に食中毒の発生を引き起こしたウェルシュ菌に対し強い活性能力を示した。その他にも、エロモナス・ハイドロフィラ、セレウス菌、カンピロバクター・ジェジュニ、腸管出血性大腸菌O157:H7、D群赤痢菌、腸炎菌および腸炎エルシニアに対し高い活性が測定された。本研究でデザートライムの抗酸化活性を測定した結果、β-カロチン退色抑制能が52.4%、フリーラジカル捕捉活性が4.5 % DPPHであることが示された。フォーリンチオカルト法で測定された総フェノール類含量は、67.9 mg GAE/Lであった。

Konczak et. al. (2009) の研究では、デザートライムには1% DW- 962 mg/100g DWと、非常に多量のビタミンCが含まれていることが分かっている。

ビタミンEの含有量は3.999 mg/100g DWで、その内の88.6%が強力な親油性抗酸化物質であるα-トコフェロールである。

ルテインは1.50 mg/100g DWで、これは主要なルテイン源の一つとされているオーストラリアのハスアボカドよりも多い。

デザートライムのカルシウム含有量は384.2 mg/ 100 g DWと非常に多く、ブルーベリーのカルシウム含有量のほぼ10倍である。高血圧を減らす効果があるとされているカリウム/ナトリウム比が大きいことも分かっている。

商業用に栽培された12種のオーストラリア原産食用食品を測定した結果、葉酸含有量はデザートライムが最も多く(420 µg/100 g DW)、これは1日の推奨摂取量の2倍(100 g DW当たり)、およびブルーベリーの含有量の10倍以上であることがわかった。

出典:Zhao, J.およびAgboola. S., (2007) Functional Properties of Australian Bushfoods(オーストラリアのブッシュフードの機能特性), RIRDC Pub. No. 07/030.
Konczak, I., Zabaras, D., Dunstan, M., Aguas, P., Roulfe, R., Pavan, A., (2009) Health Benefits of Australian Native Foods(オーストラリア原産食品の健康効果), RIRDC Pub. No. 09/133.

説明  天然のCitrus glaucaは、東はクイーンズランド州のロックハンプトンからロングリーチまで、南はニューサウスウェールズ州中央部のダッボーまで、そして西は南オーストラリア州フリンダース地域のクオーンにまでいたる半乾燥地域に分布している(Alexander, 1983)。Citrus glaucaは、天然では内陸の森林地帯およびアカシアの灌木の中の様々な土壌で生育し、45C~12Cという極端な温度条件に耐性を持つ。木の高さは、最長12メートルにおよぶ細長く棘に覆われた木から、2~4メートルの茎が枝分かれし、葉の密集した低木にいたるまで様々である。青灰色の葉は細長く上向きで、幅は5~8ミリである。春には白い花が咲く。果実は夏に熟す。形は円形から偏円形で、直径は約2センチ、重さは1~3グラムである。皮は熟すと明るい黄緑色になる。多孔質の皮には多数の油脂腺が含まれている(Birmingham, 1998)。
生育情報 

野生:デザートライムの木は進化を遂げ、オーストラリア内陸部の気候条件の厳しい地域一帯で天然に生育している。木は面白い順応特性を示し、熱や霜、干ばつ、塩分に耐性を持つ。Citrus glaucaは、開花後に着果するのが世界一早い柑橘類である。また、干ばつでは葉を落とし、緑の茎だけで生き抜くことができ、柑橘類の中では唯一の乾性植物である。Citrus glaucaはほとんどの草食動物の食用となるため、これを防ぐため、若木の間は鋭い棘に覆われている。しかし、大型のカンガルーが草を食む高さ以上に成長すると、棘はなくなる。果実は小さく、かなり強いピリッとした辛味がある。野生では一年中着果するが、季節的な条件や、個々の木の樹齢および遺伝子構造により変化する。Citrus glaucaの木は、土壌の水分が不足している場合は開花の後実を落とすが、条件に恵まれた場合はたわわに実をつける。
商業生産:Citrus glaucaは商業生産に適していることが分かっている。しかし、成熟し着果するまでに約10年という年月がかかるため、商業生産ではシトレンジの台木に接ぎ木が行われる。接ぎ木には多くの実をつけることが証明されている野生の木が選ばれる。接ぎ木された木は3年以内に実をつけ始め、様々な場所に順応できることが分かっている。

果実の収穫は、手摘みまたはオリーブ収穫用の機械を用いて行われる。果実はすぐに温まってしまうので、収穫中は低温に保つ必要がある。洗浄後、果実は冷凍保存され、冷凍果実として取引きされる。デザートライムは解凍しても、形、固さおよび味がそのまま保たれる。
著者:Sibylla Hess-Buschmann, Jock Douglas  寄稿者:Rus Glover

著者:Sibylla Hess-Buschmann, Jock Douglas 

寄稿者:Rus Glover  

      

 

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