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オーストラリアの水産業

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概要 

オーストラリアは世界第3位の大規模な漁場を有しており、その広さは800万平方キロにも及びます。この漁場には河口や湾が含まれ、大陸棚や外洋へとつながっています。

こうした生息地は、4,000種を超える魚類ならびに数千もの無脊椎動物を含む多様な生物種を生み出しています。そこにはホタテ貝、エビ、ウニ、イカ、キスやコチのような沿岸魚類、さらにはコーラル・トラウト、メロ、マグロ、カジキといったサンゴ礁の回遊魚が含まれます。 漁業生産はロック・ロブスター、エビ、マグロ、サーモン、アワビなどの市場価値の高い輸出品種に重点を置いています。

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なぜオーストラリアか? 

オーストラリアの水産物は、その品質面で高い評価を得ております。安全で高品質な水産物の供給国として、環境に配慮した持続可能な方法によって捕られる天然もの、生産される養殖もののどちらも世界的に知られています。

オーストラリアは持続可能な漁業を支援し、自国の海洋環境を保護することに注力しています。 水産資源が持続可能な量的レベルで水揚げすることを守り、主要魚種の資源状況をモニターすることが水産業界における重要事項となっています。

オーストラリアは全世界の水産業管理体制の中で上位5カ国にランキング入りしています。この管理体制はエコシステムに基づくアプローチを採用、入漁権や漁獲枠を制限し、魚種の生産性を保全するために漁獲量を厳しくモニターしてコントロールしています。オーストラリアの管理活動は、持続可能な漁業管理への予防的アプローチを規定した国際連合食糧農業機関(FAO)のガイドラインに準拠しています。 また、オーストラリアでは先進的な科学と技術を駆使して、天然物と養殖物の漁業環境が持続可能で高品質となるよう管理しています。

細心の漁業管理と近代的な養殖技術を組合せ、オーストラリアの漁業、関係政府機関、科学者達、その他ユーザー団体は、オーストラリアの長期的な将来の海洋生態系を守りつつ、利益確保が可能で競争力のある漁業を育成するというチャレンジに立ち向かっています。

File in PDF format ロブスターレポート(英語) File in PDF format あわびレポート(英語)

 

オーストラリアの水産品輸出状況

オーストラリアの水産物輸出は2020年末の実績で、総額1,020億円、主要輸出市場は中国52%、日本14%、香港10%、アメリカ6%、ベトナム5%でした。

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また、輸出された主な水産物の内訳は、ロックロブスター (387億円、6,000トン)、 アトランティックサーモン(205億円、23,000トン)、 ミナミマグロ (生および冷凍) (96億円、10,000トン)、 アワビ (活と冷凍) (79億円、1,000トン) それにエビ (61億円、4,000トン)でした。 

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日本向けの品目別輸出額 

2020年の実績では、日本はオーストラリアにとって2番目に大きい輸出市場でした。

日本市場向けの水産品輸出総額は137億円で、総量では115,000トン。特にミナミマグロは主要な産品(生、チルド、活、冷凍)で、金額にして95億円、数量では8,900トンにもなります。アトランティックサーモンとエビがそれに続き、総額ではそれぞれ12.5億円となっています。(注:1豪州ドル=85円換算) 

 

市場動向 

水産養殖はオーストラリアの水産業で着実に伸びてきている分野です。天然もの魚類では増加しつつある水産物需要に応えることは難しく、水産養殖は特に高い価値のプレミアム水産物を供給する持続的な機会をもたらしてくれます。オーストラリアの水産物に対して増大しつつある需要やアジアと距離が近いこと、さらには国際的に認知された水産物の品質や管理基準とも相まって、オーストラリアは価値の高い水産養殖製品をお届けできる優位な地位を占めているといえます。水産養殖の主たる製品には、サケ、マグロ、トラウト(2020年は養殖産品の59.4%を占める最大分野)があり、そしてエビがそれに続きます。

オーストラリアのマグロは、そのほとんどが日本市場の刺身用と中国、アメリカ向けに輸出されています。天然マグロの大半は、クイーンズランド北端のケープヨークから海岸線に沿ってヴィクトリア・南オーストラリア州境に至る海域とタスマニア近海を含む東海岸一帯のマグロ・カジキ漁で水揚げされます。

アワビの品種は主にグリーンリップとブラックリップで、その両方に養殖ものと天然ものがあります。アワビの主要漁獲地は、タスマニア州、その他、ヴィクトリア州と南オーストラリア州となります。2020年、日本は輸出先の第4位で金額は16億円でした。

 

業界団体

Seafood Industry Australia は、オーストラリアの水産業全体を代表する非政府系団体です。その構成員は天然ものや水産養殖の団体、漁獲後の加工業・物流などの分野から成っており、オーストラリアの水産業界の声を表明しています。

Fisheries Research and Development Corporation (FRDC) は、オーストラリア連邦政府と 漁業・養殖分野とで共同設立した組織です。FRDCの役割はオーストラリアにおける水産の研究開発(R&D)活動への計画と投資を進めることです。 

 

養殖事業への投資機会

水産養殖は水産業界の重要なサブセクターです。

主な養殖は軟体動物、海藻、かご類を使用したヒレ付き魚類、水槽ないしは池の中でのヒレ付き魚類、甲殻類、軟体動物の沿岸から離れた場所での養殖が挙げられます。その他の養殖産品としてマグロ、カキ、エビがあります。

何故オーストラリアか?

  • オーストラリアはそのクリーンで緑豊かな環境に定評があり、高品質で持続可能な食材を生産。
  • 北部オーストラリアにはアジアという最大輸出市場へ近い陸上養殖・沖合養殖に適した広大な場所があり、増加傾向にある「自由貿易協定」により支えられている。
  • 養殖産業は研究開発の面で、政府と業界パートナーシップにより積極的に支援されている。オーストラリアの国家的養殖戦略は、2027年まで毎年1700億円ずつ水産養殖の生産を倍増することを目標。
  • 他の州や準州の組織や大学との「官学連携」を図る強力な研究機関を有する。具体的には、 the Northern Australia Cooperative Research Centre, national science authority the CSIRO, Fish Research and Development Corporation, Australian Research Council, Blue Economy Cooperative Research Centre.
  • オーストラリアは水産養殖と持続可能な養殖に強い専門知識を有する。オーストラリア企業は 海洋環境をデザインし生み出す経験を有し、(たとえば、海洋牧場、surface lines、棚、生け簀、地上設置の海水池・タンク・孵化場)さらに池や水槽システムといった淡水環境にも経験がある。
  • オーストラリアは再循環養殖システムに対する幅広い能力を持ち、これを用いたバラマンディ、マレーコッド、シーバスのような魚種の生産に研究施設と同様の知見を有する。
東部オーストラリアは海洋養殖、北部オーストラリアには養殖池と500,000 ~700,000 ヘクタールに及ぶ養殖業に適した場所があります。南部の養殖事業は 現在680億円相当の規模であり、一方、北部オーストラリアの養殖も170億円の価値があります。 北部オーストラリアでは2027年の目標達成に向けて2030年までに1,400 ~ 2,300 人の雇用を創出する予定です。