一般名 |
ワトルシード:異なる種はそれぞれ一般名を持つ(下記参照)。伝統的な名前として、アリープ(ノーザンテリトリー、アランテ)、ガナバーグ(ノーザンテリトリー、ワールピリ)、ガツンパ(ノーザンテリトリー、ピチャンチャチャラ)、プルクル(ノーザンテリトリー、ピンチュピ)、ワリプタ・ムルチソン(西オーストラリア州)等がある。
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学名 |
Acacia victoriae; A. adsurgens; A. aneura; A. colei; A. coriacea; A. cowleana; A. kempeana; A. murrayana; A. tenuissim; A. pycnantha,; A. retinodes; A. sophorae
Acacia victoriae(エレガント・ワトル)が食品業界における標準品とみなされているが、収穫高や利用可能状況により変わることがある。
利用される主な種は、
• Acacia aneura(マルガ・ワトル)
• Acacia pycnantha(ゴールデン・ワトル)
• Acacia retinodes(シルバー・ワトル)
• Acacia longifolia var. sophorae(コースタル・ワトル)
オーストラリアでは1,000種近くのアカシアが発見されており、上記の種が伝統的に食用として用いられている。 |
利用部位 |
種子:収穫された種子は炒って挽かれた状態で、または挽かずにホールで売られている。花(茎は除く)も使用することができる。主として、パンケーキやスコーン、スクランブルエッグ、オムレツに用いられる。 |
写真 |

■ ワトルシード ■ 収穫された種子
■ エレガント・ワトル
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季節性 |
一般的に種子は1月、2月および3月に採取される。 |
栄養価 |
1,183 kJ/100 gm
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1.7 gm/100 gm
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20.3 gm/100 gm
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6.1 gm/100 gm
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10.5 gm/100 gm
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54.2 gm/100 gm
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Na: 43.9 mg
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Se: 31.7 mg
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Mg: 255 mg |
Ca: 434.4 mg
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Fe: 10.9 mg
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Zn: 0.2 mg
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Cu: 0.3 mg
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利用歴 |
ワトルシード(商業用に取引きされている種)は、アボリジニの主食原料として少なくとも4,000年前から伝統的に使用されてきた。1970年以降、数種のワトルシードがアフリカへ輸出され、干ばつ被害に遭っている地域で、人々が食用のオーストラリア・アカシアを栽培することにより主食源を確保できるようになった。アフリカでは、こうしたオーストラリア産の種から定期的に大量の種子が収穫されており、通常の食事の最大30%分をまかなうことができている。(Hegarty, M.P., & E.E. (2001). Food Safety of Australian Plant Bushfoods(オーストラリアのブッシュフード植物の食品安全性), RIRDC Publication 01-28, Barton ACT, Australia) |
利用可能性品 |
ワトルシード粉(ケーキやダンパー、パンに調理される)、香料(ワトルシードエッセンスとして)、ワトルシード・コーヒーおよびアイスクリーム |
機能性 |
脂肪酸組成が高い。グリセミック指数が低く、抗がん作用を持つ。(McDonald et al, 2006)
出典:The effect of post-harvest handling on selected native food plants. A report for the Rural Industries Research and Development Corporation by J K McDonald, N A Caffin, S Sommano and R Cocksedge(厳選された野生食用植物の収穫後の管理効果-J K McDonald、N A Caffin、S SommanoおよびR CocksedgeによるRural Industries Research and Development Corporationへの報告書), 2006, RIRDC Pub No 06/021 |
生育情報 |
ワトルの中にはオーストラリアの乾燥した温帯地域を原産とした種があり、エレガント・ワトル(Acacia victoriae)など数種は非常に広範囲にわたって天然に分布している。ワトルはオーストラリア全土で生育しており、商業的に収穫されるものもあれば野生で収穫されるものもある。野生で収穫されるのは、アリス・スプリングス地域、ホーカー、ポートオーガスタおよびブロークンヒル地帯である。一方、商業用に生育されている地帯は南オーストラリア州リバーランド、ビクトリア州西部およびニューサウスウェールズ州ジュニーといった場所であるが、生育情報は記録に残っていない。
アカシアの種子は主に野生で収穫される。野生での収穫においては、土地の保有様態、持続可能性、州野生植物法、およびとりわけ先住民族コミュニティによる伝統的な収穫情報を考慮に入れなければならない。
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